5ジャン6キ(5장6기、5チャン6キと読むこともある)は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)で、一般家庭に必要とされる家財道具を指す言葉。「ジャン(장、漢字表記で は「欌」)」は器、入れ物を、「キ(기、漢字表記では「機」)」は機械、転じて家電製品を意味する。
内容
生活に必要な耐久消費財を五臓六腑に例えたもので、家具一式の総称として使われることもある。
平壌市内の女性が結婚時に準備したがるが、北朝鮮における消費財の供給は著しく少なく、また電化製品は高価でもある。そのため実際に5ジャン6キが家庭にあるのは、特権階級や、出稼ぎ労働者など海外からの仕送りがある裕福層、ごく一部の新婚家庭などに過ぎず、2007年頃でも5ジャン6キを揃えることができる新婚家庭は0.1%にすぎなかった。大半の一般家庭では、布団箪笥・食器棚とテレビ・ミシン・録音機の2ジャン3キ(2장3기)が普通で、農村では貧困や食糧不足でこれらも売却する家庭があるという。
5ジャン
- 布団箪笥(イブルジャン、이불장)
- 洋服箪笥(ヤンボクジャン)
- 本棚(チェクジャン、冊欌、책장)または飾り棚
- 下駄箱(シンバルジャン、신발장)
- 食器棚(チャンジャン、饌欌、찬장)
6キ
- 受像機(テレビ)
- 冷凍機(冷蔵庫)
- 録音機(テープレコーダー、ステレオ)
- 裁縫機(ミシン)
- 扇風機
- 洗濯機
洗濯機または録音機を含めずに、写真機(カメラ)を加えることもある。
参考資料
関連項目
- 三種の神器 - 戦後の日本で普及した耐久消費財。年代によって内容が異なる。
- 三大件 - 中華人民共和国(中国)で富裕層の象徴である生活用品。年代によって内容は変化する。



