ドクター・フー』はBBCで放送されているイギリスのSFテレビ番組である。2012年9月29日の時点で合計229ストーリーが放送されており、続き物としてまとまったエピソードを数えると789話が放送されたことになる。加えて、4話のチャリティ・スペシャルと2話のアニメーション、2話の短編も放送されている。『ドクター・フー』は世界で最もエピソード数の多いSF番組として世界記録に認定されている。なおギネス・ワールド・レコーズに認定されているのは世界で最もエピソード数の多い「連続した」テレビ番組である『ヤング・スーパーマン』であり、合計218話である。

『ドクター・フー』は1989年に一旦放送が終了し、2005年に再開している。1963年から1989年までのシリーズでは2話の例外を除いて、全て複数話で1エピソードが構成されている。「コード」とは製作チームが各話につけた通し番号であるが、それとは別に「番組通算」の数字も話数カウントのために用いられる。特に記載がない場合、一話の放送時間は25分である。2005年の放送再開時、製作チームは今までの放送形態を止めて放送時間を伸ばし、複数話で1エピソードを構成することを減らした。特に記載がない場合、新シリーズの一話の放送時間は45分である。

BBCの1970年代の古い撮影テープを廃棄する方針のため、1960年代に放送された97エピソードが消失している。そのため27シリーズ分が欠けており、音声だけが残っているか映像の再構成を必要としている。2009年放送の"Planet of the Dead"(邦題『死の惑星』)で合計200話目となった。

シリーズ一覧

初代ドクター

初代ドクターはウィリアム・ハートネルが演じた。ハートネルの時代、ドクターは未来や過去の歴史的事件に関わり、かつ影響を残さずに旅をしている。最終話のThe Tenth Planetでドクターは徐々に弱っていき、再生サイクルへと入る。

シーズン1 (1963年 - 64年)

ヴェリティ・ランバートがプロデューサーを、デイヴィッド・ウィテカーが脚本編集を務めた。

シーズン2 (1964年 - 65年)

The Dalek Invasion of Earthより脚本編集者がデイヴィッド・ウィテカーからデニス・スプーナーに変わる。

シーズン3 (1965年 - 66年)

ジョン・ワイルズがMission to the Unknownよりヴェリティ・ランバートに変わってプロデューサーを務めた。続いてイネス・ロイドがThe Arkよりプロデューサーを担当。The Gunfighters以降シーズン終わりまで、各話ごとにタイトルを付けないやり方を試みている。

シーズン4 (1966年 - 67年)

2代目ドクター

2代目ドクターはパトリック・トラウトンが演じ、1代目よりも活動的なドクターとして描かれた。2代目はThe War Gamesまで登場し、同話でドクターの種族であるタイム・ロードたちに裁判にかけられ、時間の法を破った罪により強制的に再生させられる。

シーズン4 (1966年 - 67年) の続き

ピーター・ブライアントがThe Faceless Onesより製作補として参加し、The Evil of the Daleksからはジェリー・デイヴィスから脚本編集も引き継いでいる。

シーズン5 (1967年 - 68年)

The Tomb of the Cybermenのみヴィクター・ペムバートンが脚本編集に、ピーター・ブライアントがプロデューサーを務めた。それ以降、ブライアントは脚本編集に復帰し、イネス・ロイドがプロデューサーとなった。のちにデリック・シャーウィンがブライアントの後任となる。

シーズン6 (1968年 - 69年)

The Space Piratesを除き、テランス・ディックスがThe Invasionからデリック・シャーウィンに代わり脚本編集になる。The War Gamesからシャーウィンはピーター・ブライアントに代わりプロデューサーを務めた。

3代目ドクター

3代目ドクターはジョン・パートウィーが演じた。The War Gamesのラストで地球に追放され強制的に再生させられたドクターは、UNITの一員として働くことになる。The Three Doctorsでタイム・ロードは追放の撤回を決めるが、ドクターはその後もUNITと活動を共にする。Planet of the Spidersのラストで放射能に冒されて4代目ドクターへと再生する。

シーズン7 (1970年)

Spearhead from Spaceからデリック・シャーウィンに代わりバリー・レッツがプロデューサーに就任。このシーズンよりカラー放送となったが、幾つかのエピソードは白黒のものしか現存していない。また1シーズンの話数がシーズン6までの約半分と変更された。20から26エピソードで1シーズンを形成するスタイルはシーズン22まで続く。

シーズン8 (1971年)

このシーズンは各シーズンのストーリーに絡む悪役マスターに関する内容の導入と、新しいコンパニオンジョー・グラントの紹介を兼ねている。

シーズン9 (1972年)

シーズン10 (1972年 - 73年)

シーズン11 (1973年 - 74年)

このシーズンは新しいコンパニオンであるサラ・ジェーン・スミスの紹介が主にされる。

4代目ドクター

4代目ドクターはトム・ベイカーが演じた。現在までで最も長いドクター役を演じた俳優で、計7シーズンに渡る。

シーズン12 (1974年 - 75年)

バリー・レッツはRobotでプロデューサーを降り、以降はフィリップ・ヒンチクリフがプロデューサーを務めた。脚本編集がテランス・ディックスからロバート・ホームズへと代わる。全てのエピソードが次回と直に繋がっており、ターディスに乗る人々に起きる事件を追っていく。そのような工夫がされてはいるが、一話単体でも成立するようになっている。

シーズン13 (1975年 - 76年)

シーズン14 (1976年 - 77年)

シーズン15 (1977年 - 78年)

グラハム・ウィリアムズがフィリップ・ヒンチクリフに代わってプロデューサーに就任。The Sun Makersより脚本編集がロバート・ホームズからアンソニー・リードに代わる。

シーズン16 (1978年 - 79年)

The Armageddon Factorからアンソニー・リードに代わりダグラス・アダムスが脚本編集を担当。シーズン16は一つの長い伏線が6話に渡っている。このシーズンのみ、The Key to Timeと別タイトルを冠されてDVDリリースされている。

シーズン17 (1979年 - 80年)

シーズン18 (1980年 - 81年)

ジョン・ネイサン=ターナーがグラハム・ウィリアムズに代わりプロデューサーに就任。このシーズンのみ製作総指揮としてバリー・レッツが復帰している。クリストファー・H・ビドミードがダグラス・アダムスに変わり脚本編集を担当。初期シーズンのフォーマットが復活し、シーズン18から20までは全て繋がった話で構成されている。

シーズン18はエントロピーをテーマとし、それを解決するための伏線が張られている。Full Circleen:State of Decayen:Warriors' Gateの3話はE-Spaceで冒険するドクターの物語で、のちにThe E-Space TrilogyのタイトルでVHS・DVDリリースされている。

5代目ドクター

12代目ドクターはピーター・ディヴィソンが演じた。

シーズン19 (1982年)

シーズン20 (1983年)

20周年スペシャル (1983)

シーズン21 (1984年)

6代目ドクター

8代目ドクターはポール・マッギャンが演じた。

シーズン 21 (1984) の続き

シーズン22 (1985年)

シーズン23 (1986年)

7代目ドクター

7代目ドクターはシルベスター・マッコイが演じた。

シーズン24 (1987年)

シーズン25 (1988年 - 89年)

シーズン 26 (1989)

このシーズンをもって旧シリーズは幕を下ろした。

8代目ドクター

8代目ドクターはポール・マッギャンが演じた。

9代目ドクター

2005年、BBCは16年の休止期間を経て『ドクター・フー』を復活させることを決める。製作総指揮はラッセル・T・デイヴィスとジュリー・ガードナーとマル・ヤング、プロデューサーはフィル・コリンソン、そして9代目ドクターにはクリストファー・エクルストンが配役された。

番組は新規の内容ではなく、今までのストーリーを踏まえたものとなった。フォーマットは16:9のワイドスクリーン対応になり、放送時間も45分間になった。それまでは数話で1エピソードを構成していたが、回を跨ぐストーリーは基本的に廃止された。放送日も初期と同じ毎週土曜日になった。

シリーズ1 (2005年)

2005年のシリーズはタイム・ウォーの名残りとバッド・ウルフという言葉の付き纏う内容である。

10代目ドクター

10代目ドクターは、シリーズ1の時点でドクター役候補に上がっていたデイヴィッド・テナントが演じた。マル・ヤングがBBCを離れたため、製作総指揮は2人体制になる。

スペシャル (2005年)

シリーズ2 (2006年)

2006年のシリーズには、対エイリアン組織トーチウッドに関連するエピソードが散りばめられている。詳しくはTardisodeを参照のこと。

スペシャル (2006年)

シリーズ3 (2007年)

このシリーズからコンパニオンはローズ・タイラーからマーサ・ジョーンズへ変わった。その他、フェイス・オブ・ボーの最後の言葉とハロルド・サクソンとの関わりが解き明かされる。また、コード3.8「ジョン・スミスの恋」およびコード3.9「ファミリーと永遠の命」は、フィル・コリンソンが製作総指揮、スージー・リガトがプロデューサーとなっている。

スペシャル (2007年)

シリーズ4 (2008年)

このシリーズでは、2006年クリスマススペシャル『消えた花嫁』のドナ・ノーブルがドクターと再会し、共に旅を始める。また、コード4.2「囚われの歌」、コード4.4「侵略前夜」、コード4.5「死に覆われた星」、コード4.7「アガサ・クリスティ失踪の謎」、コード4.11「運命の左折」は、フィル・コリンソンが製作総指揮、スージー・リガトがプロデューサーとなっている。フィル・コリンソンはこのシリーズを最後にプロデューサーを退く。

スペシャル (2008年 - 10年)

コード4.15『死の惑星』からは、ハイビジョンの撮影となった。また、コード4.14「もうひとりのドクター」はスージー・リガト、コード4.16「火星の水」はニッキ・ウィルソン 、コート4.15「死の惑星」とコード4.17およびコード4.18「時の終わり」はトレイシー・シンプソンが制作を担当。便宜上、これらのスペシャルにはシリーズ4からの続きコードが割り当てられている。

11代目ドクター

11代目ドクターは、マット・スミスが演じた。また、ラッセル・T・デイヴィスが降りた為、主脚本・製作総指揮はスティーヴン・モファットに代わった。もう一人の製作総指揮ジュリー・ガードナーも降りた為、ピアース・ウェンガーとベス・ウィリスが代わりを引き継いでいる。

シリーズ5 (2010年)

このシリーズだけ、トレーシー・シンプソンとペーター・ベネットの二人が分担してプロデューサーを務めている。また、パトリック・シュヴァイツァーと共にトレーシー・シンプソンは、コード1.6「ヴェネチアの吸血鬼」とコード1.10「ゴッホとドクター」の制作を行った。

スペシャル (2010年 - 11年)

「クリスマス・キャロル」は、サナ・ウォーヘンベルグが制作を担当。

シリーズ6 (2011年)

オリジナルの放送では、シリーズ6は2つのパートに分割されており、最初の7話は2011年の4月から6月にかけて放送され、最後の6話は2011年の8月終わりから10月にかけて放送された。サナ・ウォーヘンベルグは、コード2.3「ハウスの罠」やコード2.4「小さき者からのSOS」を構成する最初のブロックの撮影の間、プロデューサーとして続行。その後マーカス・ウィルソンは、このシリーズのプロデューサーを引き継ぎ、デニス・ポールと共にコード2.12「子連れのコンパニオン」を制作。

スペシャル (2011年 - 12年)

クリスマススペシャルは、スティーヴン・モファット、ピアース・ウェンガー、キャロライン・スキナーによって制作された。製作総指揮のベス・ウィリスは、シリーズ6でBBCを辞めてしまい、ピアース・ウェンガーもクリスマススペシャルで辞めてしまう。スティーヴン・モファットとキャロライン・スキナーはシリーズ7の製作総指揮として残る。

シリーズ7 パート1 (2012年)

シリーズ7は2012年後半に5つのエピソードが放送され、クリスマススペシャルに続き、2013年に8つのエピソードが放送された。このシリーズから、制作チームによる「コード」は付けられなくなる。

スペシャル (2012年)

シリーズ7 パート2 (2013年)

「セントジョンの鐘」「時の女王」「銀色の悪夢」「ドクターの名前」はデニス・ポールが制作、マーカス・ウィルソンがシリーズプロデューサとしてクレジットされている。

スペシャル (2013年)

キャロライン・スキナーが去り、BBCウェールズのドラマ部門ヘッドのフェイス・ペンフェイルは、スティーヴン・モファットと共に50周年記念スペシャルを担当した。シリーズ5で、スクリプトエディタだったブライアン・ミンチンが製作総指揮を引き継いでいる。

12代目ドクター

12代目ドクターはピーター・カパルディが演じた。

シリーズ8 (2014年)

スペシャル (2015年)

シリーズ9 (2015年)

スペシャル (2015年)

スペシャル (2016年)

シリーズ10(2017年)

スペシャル (2017年)

13代目ドクター

13代目ドクターはジョディ・ウィテカーが演じる。

シリーズ11(2018年)

スペシャル(2019年)

シリーズ12(2020年)

スペシャル(2021年)

シリーズ13(2021年)

関連項目

  • ドクター・フーにおける年表
  • ドクター・フー
    • 消失しているエピソード一覧
    • 未製作エピソード一覧
    • オーディオリリース一覧
    • DVDリリース一覧
  • 映画
    • ドクター・フー(映画)
    • ドクター・フー ザ・ムービー
  • スピンオフ一覧
    • K-9 and Company
    • The Sarah Jane Adventures
    • "The Sarah Jane Adventures"のエピソード一覧
    • 『秘密情報部トーチウッド』
    • 『秘密情報部トーチウッド』のエピソード一覧
    • K-9

注釈

参照

外部リンク

  • BBC Classic シリーズ Episode Guide
  • Doctor Who Reference Guide – detailed descriptions of all televised episodes, plus spin-off audio, video, and literary works.
  • Doctor Who (1963–1989) - IMDb(英語)
  • Doctor Who (1996) - IMDb(英語)
  • Doctor Who (2005–) - IMDb(英語)

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